外国人受け入れ拡大は“神の一手”か…「いくら人がいても足りない」 介護現場のいまを見る
- 行政書士 西能孝
- 2017年9月2日
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http://www.sankei.com/premium/news/170902/prm1709020020-n4.html
介護分野での外国人受け入れが認められているのは、ベトナム、フィリピン、インドネシアの3カ国と結んでいる経済連携協定(EPA)の枠組みのみだった。それ以外は、留学生が介護福祉士の資格を得ても、日本人の配偶者になるなど特別な場合を除き、介護の仕事に就くことができなかった。
厚生労働省によると、団塊世代が75歳以上となる平成37(2025)年には、日本で約38万人の介護職が不足すると推計されている。改正出入国管理・難民認定法が施行されたことで、外国人が卒業後に在留資格を「留学」から「介護」に替えて日本で働ける。
新たな担い手として期待される外国人留学生は、法改正の議論が本格化した平成27年度ごろから急増。日本介護福祉士養成施設協会(東京)によると、全国の介護人材を養成する専門学校や短大などに入学した留学者数は、26年まで20人前後で推移していたが、ベトナム人や中国人を中心に27年度は94人、今年度は591人に上っており、それに伴って養成施設側も受け入れ態勢を整えている。
一方、全体の入学者数は25年度が約1万3000人だったが、29年度は約7200人まで減少しており、日本人が激減しているのは明らかな状況だ。
従来は介護福祉学科の留学生が0~2人で推移していた日本福祉教育専門学校(東京)では今年度、9人が入学した。同校では専門用語を分かりやすい日本語で教える補講などにも取り組む。同校の担当者は「留学生に学生寮を用意しているところもあると聞く。奨学金の紹介などを含め今後は経済的、住宅的なサポートを検討する必要があるかもしれない」と話す。
3年前と比べ留学生数が1・5倍に増えた東京国際福祉専門学校(東京)も、アパートなどを借りにくい外国人留学生のため、代わりに物件のオーナーと交渉をしてあげるなど生活支援を進める。
ただ、在留資格の条件緩和が行われたことで、従来に比べてさまざまな動機の留学生が来日するのは確かだ。両専門学校の担当者は口をそろえる。
「将来的に日本で得た知識と技術を母国で生かしたいという熱心な人もいるが、それは一部だろう。問題は志があるかどうかだ」
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